~ギプスコア県 基本情報~
呼び方:スペイン語でGuipúzcoa(ギプスコア)/バスク語でGuipuzkoa(ギプスコア: 発音は同じで綴りが異なる)
面積:1980㎢(参考:大阪府の面積1899㎢)
県都:San Sebastián (サンセバスティアン)/バスク語でDonostia(ドノスティア)
人口:ギプスコア県全体で約71万人(そのうち約18万6000人がサンセバスティアンに居住)
名産品や名物料理:カツオやアンチョビなどの缶詰製品、チャコリ(お酒)、バカラオ(タラ)のトルティージャ、バカラオ アル ピルピルやマルミタコなど
バスク地方の中で「美食の街」としてテレビで最もよく紹介されるのがサンセバスティアンです。毎年9月には「サンセバスティアン国際映画祭」が行われています。
19世紀、ハプスブルグ家の王妃マリア・クリスティーナがこの地を保養地とし、19世紀後半にブルジョア階級の人々の避暑地としてフランスを模した街並みが作られたため、他の街に比べて少し違った雰囲気があります。
ほとんどの観光名所はコンチャ海岸沿いと「la parte vieja(ラ パルテ ビエハ)」と呼ばれる旧市街付近に集まっています。
海も山もあるサンセバスティアンはとても風光明媚な街で、訪れた人々を癒してくれます。
〈主な見どころ〉
○コンチャ海岸(la playa de la Concha)
サンセバスティアンを代表する景色ともいえるこのコンチャ海岸。「コンチャ」とは貝殻のことです。貝のようなきれいな弧を描いていることからこの名が付いています。遊歩道があるので、カンタブリア海を眺めながらゆっくり散歩できます。
コンチャ海岸の端から端まで距離が長いように思えますが、きれいな景色を見ているからか、そんなに長く感じませんでした。とても気持ちのいい散歩道です。
○イゲルド山(Monte Iguerdo)
ケーブルーカー(フニクラ)で上ることができます。晴れた日に頂上から眺めるコンチャ湾とコンチャ海岸は本当に美しいです。
頂上には1911年に開業したバスク地方で一番古い、小さな遊園地があります。またフニクラはスペインで3番目に古いもので、1912年から運行しています。
フニクラ乗り場まで歩いていくこともバスで行くこともできます。
イゲルド山の頂上。塔にも上れます。
限りなく真っ青な海が広がります。
○市役所( Ayuntamiento)
市役所には見えない建物ですが、これは1887年にカジノホールとして建てられたものです。ベルエポック時代には頻繁にパーティが開かれ、サンセバスティアンに避暑に来るブルジョア階級の人々をもてなしていました。
第1次世界大戦中はヨーロッパの政治家やスパイが身を潜め、スペイン内戦時には国家主義者と共和主義者の対立の場ともなり、今でも弾丸の跡が建物の正面に残っています。
1947年から市役所庁舎として使用され、現在に至ります。夏は夜のライトアップもとても美しいです。
イゲルド山の反対側にあるウルグル山の近くにあります。コンチャ海岸沿いに歩いていると見えてきます。
○水族館(Aquarium)
イゲルド山からコンチャ湾をはさんで、「ウルグル山」というもう1つ山が見えます。水族館はこのふもとにあります。
大小様々な数多くの魚が展示され、海中で魚を見ているような気分を味わえるトンネル型の水槽もあり、とても見応えがあります。
水族館の前半は船の模型や巨大な鯨の骨の展示など、漁業が盛んなギプスコア県らしい展示で始まります。
○サン テルモ博物館(Museo de San Telmo)
1902年にオープンした、バスク州で一番古い博物館です。先史時代から現代に至るまでのバスクの文化や歴史に関する展示を中心に、民俗学的、考古学的な展示物がおよそ26000点以上集まっています。
博物館となっている建物は16世紀にドミニコ会の修道院として使用されていたもので、館内で目にする天井や柱など、建築物としてもとても見応えがあります。また、隣接する新館では様々な企画展が行われています。
〈サンセバスティアン その他のスポット〉
○ウルグル山(Monte Urgull)
昔から防衛の点で非常に重要な場所とされている山で、散歩道を行くと大砲や要塞跡があります。散歩しながら見る海岸や街の景色もとても美しいです。山頂には「モタ城」も。
〈ちょっとご注意を〉
散歩道はジョギングコースとして地元の人がランニングしたりもするのですが、進むにつれ木々が多くなり、時間帯によっては人気が少なく、全く誰もいないという状況にもなりえます。そこに悪い輩が現れないとも限りませんので、1人旅の方はもちろん、グループで旅行される方もどうぞお気をつけください。
○ビクトリア・エウヘニア劇場
(El Teatro de Victoria Eugenia)
1912年設立。以前は「サンセバスティアン国際映画祭」のメイン会場として使用されていました。
豪華な装飾に歴史の重みが手伝って、優雅な雰囲気の中で芸術を鑑賞することができます。
〈メモ〉
公演内容によってはお手頃価格のチケットもあります。チケット売り場が劇場の隣にありますので、立ち寄ってみるのもいいかもしれません。もちろん、インターネットでも購入できます。
○ブレチャ市場
(Mercado de la Bretxa)
1870年に開業した、サンセバスティアンで最も伝統のある市場の1つです。必要な食材が全て揃い、活気があふれています。地下が市場、建物の1階から3階はショッピングモールになっています。
〈メモ〉
「ブレチャ」はバスク語で「突破口」を意味します。1867年までサンセバスティアンには敵の侵入を防ぐための壁がありましたが、2度に渡ってこの市場がある場所から敵が侵入した(突破された)ことからこの名が付いています。